【診断士・科目合格戦略】7科目全滅を防ぐ、僕の現実的な目標設定術

診断士・学習戦略

【序章】これは、僕の「失敗」ではなく「戦略的勝利」の記録です

「中小企業診断士になるなら、7科目一発合格が理想だ」

多くの受験生が、そう考えています。もちろん、数ヶ月前の僕もそうでした。しかし、その「完璧な理想」は、時間のない社会人にとっては、時に自分自身と家族を傷つける危険な**「呪い」**に変わります。

先日の一次試験、僕の「財務・会計」の点数は24点でした。

普通なら、絶望に打ちひしがれる点数です。しかし、僕は不思議なほど晴れやかな気持ちで、次の一歩を見据えています。なぜならこれは、僕が描いたシナリオ通りの「戦略的勝利」だからです。(この絶望的な点数からどう立ち直ったのか、その逆襲の記録はこちらの記事に綴りました)

この記事は、僕がなぜ輝かしい「一発合格」の道を捨て、「科目合格」という泥臭い戦略を選んだのか。そして、その決断が僕に何をもたらしたのか。あなたが自分だけの「最善の計画」を立てるための、僕のリアルな試行錯誤の全記録です。

【葛藤】僕の勉強が、家族の笑顔を曇らせてしまった日

仕事、家事、育児、そして勉強。全てを完璧にこなそうとするうちに、僕の心の余裕は完全になくなっていました。**資格勉強と家族との両立**という高い壁の前で、僕は完全に道を見失っていたのです。

そんなある日、些細なことがきっかけで妻と気持ちがすれ違い、僕は気づかされました。 (その時の詳しい心境は、こちらの『決意編』で赤裸々に告白しています)

僕の焦りが、一番大切なはずの家族の笑顔を曇らせてしまっている、と。未来のための勉強が、家族の「今」を犠牲にしては本末転倒だ。僕が向き合うべきは、参考書ではなく、家族の心だと痛感しました。

だから、僕は決めました。今年の「7科目一発合格」という目標を、一旦手放します。

これは夢を諦めるための資格勉強 挫折ではありません。僕の人生の土台である家族との時間を何よりも大切にし、万全の状態で再び挑戦するための、前向きな「戦略的撤退」なのです。

科目合格制度:診断士試験が用意してくれた「賢者の道」

この決断を支えてくれたのが、中小企業診断士試験の「科目合格」という制度です。(※中小企業診断協会の公式サイトでも定められています)

これは、7科目のうち60点以上で合格した科目は、申請すればその後2年間、その科目の受験が免除されるというもの。つまり、最大3年間かけて7科目を揃えれば、1次試験を突破できるのです。

これは、単なる「救済措置」ではありません。仕事や家庭と両立しながら、この難関に挑む全ての社会人のために用意された、活用すべき「戦略的オプション」なのです。

僕が「7科目受験」を捨てて手に入れた、4つの本当の強み

この戦略に切り替えたことで、僕の勉強の質、そして心のあり方は劇的に変わりました。

  1. 精神的な余裕が生まれた
    「全部やらなきゃ」という強迫観念から解放され、目の前の1科目に集中できるようになりました。この精神的な余裕が、AIなどを活用して、よりスムーズに知識を習得する好循環を生み出してくれたのです。
  2. 計画に「自信」が生まれた
    学習計画がシンプルになり、計画通りに遂行できる日が増えました。「今日も計画通りにやれた」という小さな自信の積み重ねが、社会人の勉強 継続の難しさを乗り越えるための、何よりのガソリンになりました。(そもそも、なぜ計画倒れが起きるのか、その原因分析についてはこちらの記事で深掘りしています)
  3. 合格への「手応え」が生まれた
    2科目に絞って合格できたという成功体験は、「このやり方なら勝てる」という自分なりの学習の型を発見させてくれました。その結果、経営情報システム68点、中小企業経営・政策62点という具体的な数字を手にすることができたのです。これは僕が『学習OS』と呼ぶものの原型であり、「来年こそは残りの科目も獲れる」という、揺るぎない自信に繋がっています。(この学習OSの詳しい仕組みについては、こちらの記事で全解説しています)
  4. 試験本番での「時間的優位」が生まれた
    本番の試験でも、捨て科目は雰囲気をつかむことに徹し、早めに退出できました。他の受験生が必死になっている時間を、最後の本命科目のための最終確認に充てられる。このアドバンテージは計り知れません。

【実践】僕の科目合格戦略の立て方(3つの目標設定のコツ)

では、具体的にどうやって中小企業診断士の勉強計画を立てるのか。僕が実践した思考プロセスを紹介します。

ステップ①:「現実」を直視し、「やらないこと」を決める覚悟

まず、自分の「残り時間」を冷徹に計算し、自分自身を客観的に分析します。「もしかしたら…」という淡い期待を捨て、「今の自分にできること」と「できないこと」を明確に分ける。そして、できないことは「やらない」と覚悟を決めることが、全てのスタートラインです。

ステップ②:「2次試験」から逆算し、「あえて捨てる科目」を決める

これが目標設定のコツとして最重要です。僕は、「2次試験との関連性が高い主要科目」を、戦略的に「捨てる」ことに決めました。

具体的には「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」などです。

「え、そこを捨てるの?」と思いますよね。でも、これこそが僕の戦略の核です。来年、1次試験を突破したその勢いのまま、一気に2次試験まで駆け抜けるために、最も重要な主要科目は、フレッシュな知識で挑むべきだと考えたのです。

だからこそ今年は、単体で知識が完結し、かつ僕が比較的得意だった「経営情報システム」と「中小企業経営・政策」の2科目に全リソースを集中させ、確実に「科目合格」という名の貯金を稼ぎにいったのです。

ステップ③:「捨てる科目」の最低限の目標(足切り回避)を設定する

「捨てる」といっても、40点未満の「足切り」は絶対に避けなければなりません。僕は、捨て科目については過去問は一切解かない代わりに、テキストだけは必ず一度通読し、「どんな敵がいるのか」という戦場の雰囲気だけは掴むようにしました。最低限の知識はつけておく、というリスク管理です。


まとめ:「合格」より大切な、自分の「生き方」を変えるということ

僕にとって、この挑戦は単なる資格取得ではありません。長期間、計画的に努力を続けることで、自分の「習慣」を変え、そして自分の「生き方」そのものを変えていくこと。それこそが、本当の目的なのだと、今では思っています。

「一発合格」だけが、正義ではありません。

自分自身の状況と向き合い、その中で最善の計画を立て、確実に「合格」を積み重ねていく。遠回りに見えても、それこそが、僕たち社会人がこの大きな山を制覇するための、最短ルートだと信じています。

あなたが、目標達成のために「やらない」と決めていることはありますか?ぜひ、あなたの戦略もコメントで教えてください。

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